フォーラムしずおか

8月10日（土）、「自治体による社会責任（LGSR）推進が開く地域の未来in静岡」と題し、IIHOE［人と組織と地球のための国際研究所］が行った「自治体における『社会責任』への取り組み調査」の結果をもとに、セミナーを開催しました。

当日は、ひとりの欠席者もなく申込者28人全員に参加いただくことができ、この耳慣れないテーマ「自治体による社会責任（LGSR）」に対する関心の高さをうかがわせるものとなりました。
静岡県や市町の行政職員の皆さん、地方議員さん、NPO団体をはじめ市民活動をされている皆さんなど、様々な立場の方々にお集りいただくことができました。






まず、配布資料をもとにIIHOE［人と組織と地球のための国際研究所］代表の川北秀人さんから「自治体における『社会責任』への取り組み調査」を実施した経緯やその結果を中心に、自治体に求められる社会責任とは何か、なぜそれが必要なのかについて、お話いただきました。
　
市町村の予算の半分、都道府県の予算の7割は外部への発注・業務委託によって占められており、行政職員の皆さんは発注・委託する側として、また、市民の皆さんは納税者として、あるいは発注され受託される側として、選定の際にSRの視点がどの分野でどの程度考慮されているか、「公共調達」のSR化がどの程度進んでいるかという部分に、熱心に耳を傾けておられる様子がうかがえました。

　「公共調達は、目の前の安さにこだわるのか。それとも、地域社会に対して人権・労働・環境などの責任をしっかり果たしていることがしっかり配慮されているのか…」など、豊富な事例をもとに、行財政改革が進む中だからこそ、社会的影響力の大きい自治体がSR調達のための仕組みを整える必要があることが報告されました。





　後半は、各自が配布されたA3用紙を四つ折りにして「講師の話・事例を聞いて感じたこと、気づいたこと」「やってみたい、できそう、やらなきゃと感じたこと」「講師や他の参加者への質問」「所属と名前」の4項目について記入する時間を設けました。その後、3〜4人のグループで、自分が記入したことを紹介し合いました。
最後に、話し合われた内容の報告と川北さんに質問したいことについて、各グループから発表があり、川北さんが質問に対する答えをまとめながら、セミナーが終了しました。


まずは、このようなセミナーや勉強会によって「自治体による社会責任（LGSR）」について理解すること。「自治体による社会責任（LGSR）」について、自治体だけに任せておくのではなく、様々な立場の人が ともに推進に取り組むことの大切さが共有されました。


セミナー終了後のアンケート結果の一部をご紹介します。　※（　）内は所属先

・自分たちの業務遂行にのみ目が向いていたが、社会全体を見通す必要性を学んだ。（市民活動団体）
・自治体の複合調達方式を詳しく知ることができた。（地方議会議員）
・自治体が社会責任を政策として進めることの重要性と可能性を学んだ。（行政職員）
・まずは市民が、自分の身の周りの人10人に取組みを伝えることが必要だと感じた。（大学生）
・総合計画に盛り込むことが必要だと感じた。（行政職員）
・自治体職員の意識改革と、市民の後押しが必要だと感じた。（行政職員）